米トランプ政権の新地雷政策に断固抗議します
ホワイトハウスは1月31日、対人地雷に関するトランプ政権の新しい政策を発表しました。
その内容は朝鮮半島以外では地雷を使用しないとしてきたオバマ政権時代の政策から大きく後退し、今後考えうる世界各地の紛争において、米軍の部隊の司令官の判断で対人地雷の使用が可能となるものです。
使用可能な地雷として、敷設から一定時間内(最長でも30日以内)に自動的に無力化されるよう設計されているもの、また通常の金属探知機で探査可能なもの、そして、敷設場所を正確に記録することなどを義務付けるとしています。
これに対して、JCBLの清水代表理事は「機械の誤作動はもとより、敷設場所の記録の正確性なども検証が難しく、対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)発効以来21年に渡って積み上げてきた、対人地雷禁止の規範を大きく後退させるもの」として強く批判しています。
2018年の対人地雷犠牲者は世界全体で6,897人に上り、その中には1,714人の子どもが含まれています(*1)。99年3月1日に発効したオタワ条約の締約国は現在164ヵ国、世界の8割に及んでいます。昨年オスロで開催された第4回再検討会議において、新たな犠牲者ゼロ、そして2025年の期限目標に向けた5年間の行動計画が策定されました。米国は、世界最大の地雷対策貢献国として、一刻も早くオタワ条約を批准し、紛争後の復興、開発の大きな障害を取り除くことに注力すべきです。また、同条約の締約国である日本政府は、米国政府に対し今回の新地雷政策の撤回及び同条約への早期加入を促すよう強く求めます。
(*1)ICBL/CMCランドマインモニター2018
*本件に関する問い合わせは地雷廃絶日本キャンペーン事務局 まで