国際社会では、対人地雷の問題を解決するために、1997年12月、対人地雷全面禁止条約(通称オタワ条約)を成立させました。オタワ条約は、カナダやノルウェーなどの政府とNGO(非政府組織)が協力して成立させたのがユニークな点です。
2009年5月現在、オタワ条約に参加している国は156カ国に上ります。
▼オタワ条約のポイント
・対人地雷の製造の禁止
――条約で禁止対象となっている対人地雷は、全て製造が禁止されています。
・対人地雷の使用の禁止
――いかなる状況下でも対人地雷を使ってはなりません。
・対人地雷の移譲(貿易や譲渡などの取引)の禁止
――条約に加盟して不要になった対人地雷を他国や第3者(武装組織など)に売ったり、渡したりしてはなりません。
・備蓄地雷の廃棄
――4年以内に保有している対人地雷を全て廃棄しなければなりません。ただし、除去の訓練や除去機の開発に必要とされる対人地雷については極僅かな数に限って保有が認められています。
・対人地雷の除去の義務
――対人地雷が敷設されている地域を特定し、民間人が立ち入らないように注意を喚起し、速やかに(8年以内)除去しなければなりません。
・犠牲者の支援
――対人地雷で被害に遭った人々を支援しなくてはなりません。
・国際社会の協力
――対人地雷の被害に遭っているのは発展途上の国々です。そこで、国際社会はこうした国々に対する財政的支援や技術協力をするよう求められています。
オタワ条約には、米国やロシア、中国といった大国や、対人地雷を使用してきたスリランカ、韓国、イスラエル、インド、パキスタンといった国々が加盟していません。これらの国々が一日も早く条約に加盟することが大切です。
▼地雷をなくすために
対人地雷のない世界を実現するために、オタワ条約では加盟国に対して、地雷の使用・製造・貯蔵・移譲のすべてを禁止し、犠牲者の支援を義務付けています。これらを実現させるための活動が「地雷対策活動」です。
具体的には、1.対人地雷の除去、2.貯蔵地雷の廃棄、3.地雷敷設地で暮らす人々を対象とした地雷回避教育、4.犠牲になった人々に対する支援、の4つがあります。詳細はこちらを参照下さい。