2012年~2014年
※この事業は、2014年に「リズムネットワーク」に引き継ぎを行いました。
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2012年、「カンボジアにバリアフリートイレを!プロジェクト」がスタートしました。
地雷などによって足を失った犠牲者にとって、日々の排泄は大問題です。カンボジアの農村にある一般的なトイレは、和式のようにしゃがんで用をたすもので(下の写真)、足を失っている人たちが一人で使えるものではありませんから、家族が介助をしたり、トイレではなく家の裏などなどで用をたしたりしています。

そもそもカンボジアは、トイレなどの衛生施設の普及率が世界で最も低い国のひとつです。ユニセフの統計によると、安全な水を手に入れられるのは全人口の41%、さらに、トイレなどの衛生施設を使用できるのは、たったの17%にすぎません。

特にカンボジアの農村部ではトイレをもっていない人々も多く、近くの藪の中などで用をたしていますが、特に足に障害がある人たちにとって、これは深刻な問題です。雨季のスコールや洪水の中、藪の中まで車いすや義足で歩いていくのは容易ではありません。そこで家の近くで済ますことになりますが、人目がありますし、特に女性の場合にはレイプの危険と隣り合わせです。そして、家の周りの環境悪化にもなってしまいます。
トイレがないために糞便を解して病原体が広がって、細菌やウィルス、寄生虫が引き起こす下痢になり、そのまま命を落とす人も少なくありません。感染症は障害をもつ人の「第2の障害」とも言われます。しかしトイレが清潔に保たれ、手洗いなどで身体が清潔に保たれ、そして排泄物の適切な処理がなされていれば、これらは防ぐことができるのです。

そこで、JCBLでは、シェムレアップ州で、地雷の犠牲者が使えるバリアフリートイレの設置を始めました。

便座は洋式トイレ。壊れても現地で修理できるように、現地で入手します。トイレのまわりには車いすのまま入れるスペースが十分にあります。排泄後は水がめにためた水で流し、排泄物は槽にためられて、これは畑の肥やしになります。

 

このトイレで、彼らは排泄だけでなく身体を洗ったり水浴びもしています。壁で囲まれ鍵もかかりますから、女性たちも安心して水浴びができます。
参考までに・・・
日本のトイレの水洗化率:90.7%(4501万個)
洋式トイレのある住宅:89.6%(4445万戸)